マラソンについて
大阪弁護士会会員 小池康弘

 日本弁護士国民年金基金から広報誌のコラムへの寄稿を依頼された。テーマや内容は全く自由だということだったので、年金基金とは全く関係のない「マラソンについて書いてみようと思う。
 2012年2月、満49歳の時、私は初めてフルマラソンに出場した。私が走り始めたきっかけは、2008年の人間ドックまでさかのぼる。この人間ドックの肺機能検査で混合性機能障害と診断され、これを機に禁煙したところ、半年もたたないうちに体重が13sも増えてしまった。タバコをやめて不健康になったのでは洒落にならないと思い、ウオーキングを始めた。最初は週1回3qくらい歩いていたのだが、徐々に距離を伸ばして2時間かけて12~3q歩けるようになった。そのころ、少しなら走れるかもと思い、走り始めた。最初はゆっくり1qから。そのうち2q、3qと長く走れるようになった。人類が4足歩行から2足歩行に進化したようにゆっくりゆっくりと走る距離が伸びていった。少し走れるようになってくると歩くより効率的に体重を落とせると思い、定期的にジョギングをするようになった。このころはまだフルマラソンに挑戦するなどということは全く考えおらず、10q走るのが限界だった。その後、2011年には20qほど走れるようになった。ちょうどそのころに第1回の大阪マラソンが開催されると知り、フルマラソン完走を目標にトレーニングを始めたのである。ところが、目標としていた大阪マラソンの抽選にみごとに外れ、翌年2月の泉州国際マラソンでフルマラソンデビューを果たすこととなったのである。
 初マラソンは4時間29分で完走した。初マラソンとしてはまずまずの成績である。しかし、一人前のランナーといえるためには、4時間を切る(サブ4)必要がある。そこから私のサブ4への長い道のりが始まった。
 結果から言うと、私が初めてサブ4ランナーになったのは、2017年12月の奈良マラソンである。初マラソンから5年以上かかってしまった。サブ4というのがどの程度のものかわかりやすくというと、ゴルフで言えばスコア83、ボーリングで言えばアベレージ200、TOEICだと745点くらいだそうだ(私の感覚で言うと、ゴルフは90、ボーリングは180くらいか?)。サブ4はフルマラソン参加者の20%程度らしいが、サブ3.5は10%、サブ3となると3%くらいで、昔の司法試験なみだ。
 サブ4を達成すると、今度はサブ3.5を目標とすることになるが、自己ベストは、2018年の泉州国際マラソンでの3時間47分であり、目標を達成するにはまだまだ遠く及ばない。自分の年齢(57歳)を考えるとサブ3.5はかなり難しく、サブ3は絶望的である。
 まだ、サブ3.5をあきらめたわけではないが、今ではガシガシ走りまくるというより、自宅周辺の公園を季節を感じながらゆっくり走ったり、旅行先などで観光しながらのランニングを楽しんでいる。年金基金の理事会は各単位会の所在地で開かれるが、その際、必ず15~20qは走って観光している。これからの目標は、80歳でフルマラソンを走ることだ。足腰の強い、元気な爺さんになることを目指している。
 ただ、かえすがえすも思うこと、それは、もっと若いうちから走り始めておけばサブ3も夢ではなかったということ。20歳代や30歳代で走り始めておけば、サブ3を達成していたかもしれない。
 他方で、今振り返ってみて思うこと、それは走り始めるのは遅かったけどあのとき走り始めて本当に良かったということだ。もし、あのとき走り始めていなければ今でも多分走っていないだろう。
「もっと若いうちから始めとけばよかった。始めるのは遅かったけど、始めておいて本当によかった。」
ん?ん?・・・・?何かに似ているなぁ?
 あっ!弁護士国民年金基金だ。弁護士国民年金基金に若いうちから加入しておけば、毎月の掛け金が少なくて済むし、もらえる年金も多い。だからもっと若いうち、できれば35歳になる前から始めておけばよかった。
 でも、今からでも決して遅くない。毎月の掛け金を支払うのは結構大変かも知れないけど、若い時よりも少しは余裕があるし、税金の面でもかなり有利になる。なによりも遠からぬ老後のことを考えると、基礎年金だけでは何とも心細い。
 弁護士国民年金基金は、自分の将来設計にあわせて7種類の給付の型の組合せで、自分にぴったりの年金をつくることができる。加入口数は自由に選択でき、しかも途中での増減も可能だ。なんとフレキシブルなことか。
 40歳以上でまだ年金基金に加入されていない方、決して遅すぎるということはない。年金をもらう年齢になってから後悔することがないよう、今、弁護士国民年金基金に加入することをお勧めする。
 因みに私は44歳の時に夫婦で加入し(専従者なら加入できる)、終身年金型としたので、長生きすればするほどお得。これからもランニングを続けて元気で長生きするぞ。

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陽だまり 2019 No.47より