愛知県弁護士会(当会)の田口勤(47期)です。中部弁護士会連合会選出です。同弁連から選出された代議員は、まず3年間代議員を務めた後、次の3年間は理事を兼ねて代議員を務める慣行になっています。私は現在、代議員として6年目、理事を兼ねて3年目です。
私が当基金に加入したのは、節税にも多少関心を抱いた40歳のときでした。遅めの加入の場合は給付面で残念な部分もあり、若手の弁護士に当基金を宣伝し加入を勧奨する際(加入勧奨活動)には、早目の加入を推奨しています。
当会での加入勧奨活動などを紹介し、今後に向けた感想のようなものを記載します。
1 新入会員合同説明会
当会では、毎年1月下旬に行う「新入会員合同説明会」で、弁護士協同組合、日弁連法務研究財団とともに、新入会員に対して当基金の加入勧奨活動を行っています。年末年始に一斉登録した直近の修習終了者が中心ですが、当会に登録して1年未満の会員を対象にしています。この説明会の日は、新入会員らが午前から夕方まで弁護士倫理、弁護士会務・業務等についてレクチャーを受けるガイダンスの日でもあり、新入会員は丸一日ガイダンスを受けた後、懇親会に移動する直前の午後6時ころに当基金の説明を受けることになります。
新入会員はとても真面目で、しっかり聞いてくれている様子ではありますが、わずか一日であらゆることを詰め込まれて、当基金のことなど記憶に残っていないのではないかと心配です。そのため、終わりがけに「秋にもう一度基金の説明をすると思うので、覚えておいてくださいね。」などと念を押して説明を終えるようにしています。
2 裁判官を講師とする勉強会
10月ころには、当会の若手会員育成支援特別委員会(若手支援)が裁判官を招いて、新規登録から1年未満の会員向けに訴状起案の問題点などについて講義をしていただく「裁判官を講師とする勉強会」を開催します。その勉強会が終わる直前の時間帯にも時間をとって頂き、当基金について改めて説明し加入を勧奨します。その際、1月にも同様の説明を聞いた記憶があるかについて質問するようにしていますが、覚えているという表情をする会員は、1割にも満たない印象です。
加入勧奨の場で「人生100年時代。長生きはリスクです。」と初めて口にしたときは、後の懇親会でベテラン弁護士から、「長生きがリスクとは失敬だ」と(笑いながら)指摘されました。しかし、その後もこのような発言は続けています。私自身50歳を目前にした時期に2週間入院し、仕事はいつまでも続けられる訳ではないことを実感したので、これは自分自身に向けた言葉でもあります。この2回目のこの加入勧奨活動で多少認知度は上がる印象です。
以上は、主に登録1年目の新入会員に対する活動ですが、2年目以降の会員に対する活動は、限定的です。
3 チューター制度の活用による加入勧奨の可能性
当会でも、新入会員に対してチューター制度を実施しており、ベテラン、中堅、若手の3人のチューターが1班10名前後の新入会員を担当し、1年のうちに7回ほどの勉強会を開催しています。テーマは、弁護士業務や会務に関連する課題全般です。チューター制度で組まれた班によっては、2年目以降も懇親会の形で続くところもあります。そのような2年目以降の班の活動を担当の若手支援委員会が後押ししてくれれば、任意の活動であったものが弁護士会の活動になり、登録2年目以降の会員にも加入勧奨する場が拡がるように思います。
4 弁護士会の活動以外の場での加入勧奨活動の可否
弁護士会自体の活動ではありませんが、弁護士会内に会派が存在する単位会はいくつかあると思います。その若手会員の活動(若手会活動等)には、加入勧奨に適する登録後10年くらいまでの会員が集まり易いと思います。当会にも5つの会派が存在し、10〜12年目までの若手会員で構成する若手会があります。会派によっては、旅行会をしたり、比較的少数の班に分かれて懇親会をしたりしています。登録から何年か経つと、節税や老後のことにも関心を抱く会員の割合も増えてくるので、このような会派の若手会活動等の場で加入勧奨する可能性を探るのもいいかも知れません。
また、会派活動ではなくても、部活動、スポーツやボードゲームの大会、弁護士協同組合の催しなどがもしあれば、そのような場での加入勧奨を検討してはどうかと思います。
もっともこれらは、この原稿を書きながら絞り出しているもので、実際に試みたことはもちろん、実現可能性について検討したこともないので、感想にとどまります。
|