私は、弁護士国民年金基金の代議員として、加入勧奨を行っています。加入勧奨の短い時間で伝えきれない点や思いを記させていただきます。まず、弁護士国民年金基金は、国民年金の上乗せ年金ですので、厚生年金の加入者は対象外です。
1 人生100年時代と言われますが…
加入勧奨を行っていて率直に疑問に思うのは、国民年金だけなら月額6〜7万円程度の支給なのに、その上乗せとなる弁護士国民年金基金に加入しなくて大丈夫なの?ということです。80歳、90歳になったとき、現在のようには稼げないので、私は弁護士国民年金基金に加入しました。お金のない老後は嫌です。高齢で働けなくても定期的にウン万円を支給してくれるのですから、その金銭の価値は、現役時代の比ではありません。
みなさん、どれだけ長生きするか分からないのに、弁護士国民年金基金に加入しないで、老後に備える十分な貯蓄があるのですか? 私は、別に定期収入があるような副業もしていませんし、老後の貯えも十分とは思えないので、弁護士国民年金基金の主に終身年金に加入しました。生きているかぎり支給される終身年金は、なんて有難い年金だと思っています。
2 国民年金と混同していませんか?
国民年金と弁護士国民年金基金は、制度、仕組みが異なります。弁護士国民年金基金は加入した時点で、年金額が決まっており(物価スライドはない)、60歳前まで掛金を支払うことで、65歳(60歳もあり)から年金が支給されます。また、高齢者への仕送りといわれてしまう賦課方式ではなく、積立方式であり、掛金を積み立てて運用し、運用益から年金が支給されます。
3 基金のこれまでの運用実績は?
実際の運用は、国民年金基金連合会から委託された複数の投資顧問会社が行っていますが、その収益率は2022年3月末の過去15年間平均年4.40%で(国民年金基金連合会HPに公開の2021年度運用報告書4頁より)、失われた何十年と言われる時代に、15年間、前年比平均年4.40%ずつ増やしています。
運用ですので、当然、毎年の収益率には上がり下がりがありますが、私が驚いたのは、2008年のリーマンショックで−20%超となったのをその後に盛り返し、累積運用益を増大させたことです。こんな芸当(?)ができるのは、基金の規模が大きいので、その僅かな割合でも、受託者に支払える金額が多くなることが理由の一つとしてあげられます。私は、そうか、基金が大きいと、お金があるから、受託者を選別できて、腕利きガンマンを雇えるんだ!?と理解しています。私にはこんな資金規模もなければ、運用実績を上げる才覚も、そのために費やす時間もありません。もしリーマンショックのときに自分で投資していれば、泣いて損切りしただけでしょう。
もちろん、弁護士国民年金基金では、個人に支給される年金額は決まっており、運用益の増減で金額は変わりません。掛金に対して支給される年金の計算にあたり、予定利率が使用され、現在は年1.5%となっています。過去には、この予定利率が高くて今よりも有利な時期もありましたが、それを知らずに加入できなかったことを嘆いても仕方ありませんし、賦課方式でもありませんので、自分の老後の備えとしては最適と判断して、まずは数口加入し、その後、増口しました。また、基金をすぐに清算することは予定されていないので、一時的な運用結果や基金の残高で右往左往する必要もありません。
将来のことは誰も分かりませんが、弁護士国民年金基金の仕組みを知れば知るほど、私にはできない、自分で投資、運用するよりかなりマシと個人的には思っています。
弁護士国民年金基金のHPでは「弁護士国民年金基金の仕組み」をイラストと動画で説明していますので、是非、ご覧になってみてください。
http://www.bknk.or.jp/oshirase/i-movie.html
4 掛金全額が社会保険料控除の対象
弁護士国民年金基金の掛金(年上限816,000円)は、全額所得控除(社会保険料控除)の対象です。これで課税所得が減りますので、税金が減って節税になります。これって経費で落ちないかなぁ、と悩むことなく、無条件で、全額控除されます。払った掛金は、年金のもととなり、老後の生活を支えるお金となります。しかも、配偶者も国民年金で、弁護士の業務補助者(専従者)として弁護士国民年金基金に加入していれば、最大1,632,000円が弁護士の所得から社会保険料控除できます。一体、どういうこと?なんで?というくらいのメリットと思います(自助を促す国の政策)。
特に、売上が多くなりそうな年は、弁護士国民年金基金への加入、増口を検討したほうがよいことになります。弁護士国民年金基金は口数で加入します。1口目の解約は基本的にできませんが、2口目以降は、増減できます。
様々な金融商品、投資にはリスクがあるといわれます。ですから、しっかりと弁護士国民年金基金の仕組みを確認し、理解し、他の投資等とも比較したうえで、弁護士国民年金基金の加入や増口をご検討いただきたいと思っております。
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