日本弁護士国民年金基金には大変お世話になっております
仙台弁護士会会員 佐々木 雅康

 私の修習期は49期になります。1997(平成9)年4月に仙台で弁護士登録し、2023(令和5)年4月に弁護士27年目を迎えました。
 日本弁護士国民年金基金(以下「当基金」といいます)には、個人で独立開業してから約3年後の2009(平成21)年1月に加入いたしました。独立開業前後から関心があったのですが、当時は小規模企業共済との掛け持ち加入が認められないと誤解しており、その誤解が解けるのに時間を要してしまいました。
 確定申告の面倒をみてもらっていた税理士から「掛金が全額社会保険料として控除されるので、民間保険よりも有利で節税になります。経費で貯蓄をするようなものですよ。夫婦揃って是非加入を。」との太鼓判を押され、満を持して加入した次第です。
 何よりも仕事に追われ時間の余裕がなく、自分で投資して資金を運用するという選択肢はもとからなかったので、加入に際しての迷いはありませんでした。
 当初より掛金の上限額で加入し、幸いこれまで減口することもなく支払を継続しております。加入時の年齢が遅れて基本額が高額になるのに伴い、加入できる口数が低下して受取年金額が低下するといった懸念を抱くこともなく、ここまでやってきました。
 掛金の支払が月々の固定経費として認識されているため、その出費を意識することもなく、毎年の確定申告の時期に相当の金額が所得控除されることから、大変心強くかつ有り難い存在です。

 そうしたなか、今から5年程前(当基金に加入してから9年目)に、当基金代議員にならないかとのお声が掛かり、代議員に就任する機会に恵まれました。
 当基金には、勤務弁護士の時から大変お世話になっている先輩弁護士が理事として大活躍されており、改めて当基金とのご縁を感じました。代議員に就任するタイミンクで丁度国民年金基金については大規模な組織改編があり、全国都道府県にある地域型の47基金と職能型の22基金が合併して一つの全国基金が設立され、この全国基金と当基金を含む職能型3基金が、連合会を組織しています。そして、当基金が2口目以降の掛金運用についても、連合会の共同運用事業に委託するに至ったことを知りました。現在、当基金の積立金は運用のプロに委ねられており、運用状況が堅調であるとの詳細なモニタリング報告を受ける立場にあります。

 また、年金基金を支えるのは加入員であり、加入員を増やすことが何よりの使命であると承っております。かつてあるいは現在所属している異業種団体においても会員増強が至上命題であったことを思い起こして、かつて自分がそうしてもらったように、地元で行われる新規登録弁護士研修や登録10年以内の若手弁護士のライフプランを考える研修の際にお話する時間を頂戴し、当基金のメリットをお伝えしております。

 当基金のホームページや多彩なリーフレット・パンフレットでもその内容が確認できますが、予定利率が定期預金の市場金利よりも高いこと、当基金との比較で引き合いに出される個人型確定拠出年金(iDeCo)が自分で掛金の運用方法を選択決定し支給期間が有期であるのに対し、当基金はプロにお任せで生きている限り終身で受給できるという点について、改めてよく考えられた制度であるとの実感をもっております。ここ2、3年は、こうした制度や運用状況のイメージをわかりやすく伝える対談形式の動画やアニメーションの企画・製作会議にも参加させていただき、当基金に対する知見が一層深まりました。
 動画等の内容は親しみやすいものであり、先輩弁護士や税理士から経験談としてアドバイスいただいていたことがよりリアルにわかるようになっております。

 ところで、55歳を半年後に控えた今改めて思うのは、55歳で一線を退いた私の父のことです。国家公務員であった父は、その後地元の県庁で嘱託をつとめた後、60歳から共済年金の受給を受け、悠々自適の生活を過ごしております。家族からは、自由業という厳しい選択をしたが仕事はうまくいっているのか、また、将来の生活は大丈夫かと度々聞かれますが、当基金に加入しきちんと年金掛金を支払うべく堅実に仕事に励んでいると伝え、当基金が家族を安心させるのに一役買ってもらっております。また、最近では、看護師をしている妹から、コロナ疲れなのか所属病院をリタイアしフリーランスのような仕事をしたいと相談されたので、ここぞとばかり国民年金基金の仕組みについて説明いたしました。いずれにせよ、老後の安心を得て心健やかな毎日を過ごせるよう、掛金の納付本当にご苦労様でしたと言われるその時まで、仕事を続けていきたいと思っている今日この頃です。

 以上、甚だ面白みにかける内容になりましたが、是非多くの方が当基金に参加いただけることを期待しております。

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陽だまり 2023 No.51より