自営業のよしあし
秋田弁護士会会員 京野 垂日
 ぼくは、研修所を出た後、いきなりゼロワン地区の秋田県横手市で開業しています。
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 最初は、どうなることかと思ったのですが、何とかかんとか弁護士業をこなしています。給与をもらったのは研修所が初めてという未熟者にとって、世の中のことは知らないことばかりで、全てが新鮮な驚きの連続です。
 独立開業するということは、個人事業者になるということでもあります。給与生活との違いは歴然です。世の人がなぜ税金税金と騒ぎ回っているのかが、自ら税金を納める立場に立つようになってから、身にしみて分かるようになりました。
 そんな中で、弁護士国民年金基金を知りました。自営業の両親が、基礎年金の上乗せ年金の必要性を教えてくれ、加入するように言われましたが、まだ収入も少ないし将来だってどうなるか分からないし、と当初はあまり関心はありませんでした。
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 しかし、開業翌年の事業年度は、利益がでました。そして課税、予定納税。正直、「こんなに取るの!?」と青くなりました。これでは生きる楽しみはない、とまで考えました(やや誇張ですが)。
 ならば、ということで手元に残さない方針に変えました。この場合、享楽的な生き方ではなく、ぼくの事務所の事務員をしている妻と一緒に、夫婦揃っての弁護士国民年金基金への加入です。
 考えてみれば、公務員の場合は気が楽です。税金も普段意識することなく、気がついた時には共済年金に入っているのですから。しかし、自営業者には、そんなお節介はありません。あくまで「自分たちで考えなさい!」なのです。
 初めは面倒くさく感じるのですが、自分の生活を自分で設計するというのは、実は楽しい作業です。そういう意味では、弁護士国民年金基金も、加入したらそれで全て安心ということではなく、あくまで将来の人生設計のファーストステップに他なりません。
 最近の保険会社の倒産や低金利時代の資金運用という観点では、国民年金基金といえども例外ではなく、今後はその運用先についてまで目を光らせていかなかればならないかもしれません。
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 老後の問題は、小学校や幼稚園で無邪気に過ごしていた時には、まさか自分が今のような社会人になっているとは想像できなかったのと同じように、必ずやってくる避けられない問題です。
 クレサラ事件の相談などで、「早め早めの対応が必要だ」などとアドバイスしているのですが、自分のことになると目が及ばないことが多いものです。
 若い方々も自分自身や夫婦の将来のことを考えてみてはどうでしょうか? 国民年金基金の毎月の掛け金は、早めの加入の方が確実に安く済みます。ぼくの場合は、税金を払っているようなもんだとの気軽な感覚で加入しています。
 弁護士国民年金基金に、若年層の仲間が増えることを期待しています。

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陽だまり No.21  `02.11より